【明日】ALCW2018と市民講演会「宇宙を探る大型科学プロジェクト:LIGOとILC」

こんにちは!ILCサポーターズ学生サポーターの青木です。いよいよ国際学会ALCW2018が始まりました!

国際学会ALCWとはどんなもの?なぜ今年のALCWは重要なの?企画の一環である市民講演会はすごく豪華?!

研究者のものだけじゃない!ALCWと市民講演会を詳しく解説します!

(ポスターより抜粋)

リニアコライダーの国際学会ALCWとは?

(ALCW HPより)

The Asian Linear Collider Workshop(ALCW)とはILC、CLICなど、次世代のリニアコライダー(線形加速器)のための学会で、アジア、ヨーロッパ、北米の3地域で交互に開催しています。全員で素粒子物理や加速器の動向を確認するPlenary session と、各グループで最新の研究成果を報告するPallarel sessionがあります。隔年で行われており、毎年約300人が参加しています。今年は5月28日から6月2日、福岡国際会議場で行われます。

今年のALCWのページはこちらから

なぜ今年のALCWは大切?

昨年11月、国際将来加速器委員会(ICFA)が、「ヒッグス・ファクトリー(ヒッグス粒子工場)」として250 GeV(ギガ電子ボルト)で運用する国際リニアコライダー(ILC)の建設を支持する声明を発表しました。その声明の中で、ICFAは、欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)のアップグレード計画と相補的な役割をするILC 計画の重要性を認識し、ILC を日本主導の国際プロジェクトとして、時宜を得て実現することを強く奨励しています。(注1)

文部科学省は2014年に有識者会議を設置して、ILC計画の検討を続けてきましたが、ちかく報告書がまとまるのではないかとの期待が高まっています。またILC 計画を実現するための国際交渉が開始される事を想定して、各国の研究者による準備も始まっています。

つまり!今回のALCWは文部科学省がILCを日本に建設できるかどうか決める前の、まさに直前の国際学会になりそうなんです!
ここでILCが十分に成果が期待できることをアピールすることが研究者たちの重要な任務というわけです。

また、会場受付では国内外の研究者の方々にILCサポーターズの冊子とシールが配布されました!

注1:LHCはヒッグス粒子を発見した加速器。今後アップグレードを計画していて、ILCが実現すればLHCが苦手な部分の測定をすることができるため、アップグレードしたLHCが稼働する時期に合わせてILCが稼働することが期待されている。

市民講演会、あります。

(ALCW HPより)

国際学会は、研究者だけのものじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方々のために今回、ALCWは市民講演会をご用意しています!
題して「宇宙を探る大型科学プロジェクト LIGOとILC」。LIGOは2017年にノーベル賞を受賞した重力波の実験です!

「宇宙を探る大型科学プロジェクト:LIGOとILC」
5月29日(火)18:00/福岡国際会議場メインホール
入場無料

【タイムテーブル】
18:00 挨拶および村山氏・バリッシュ氏の紹介
18:05 村山氏の講演
18:20 バリッシュ氏の講演
19:20 二人の対談および質疑応答

【講師紹介(パンフレットより転載)】
村山 斉(Hitoshi Murayama)
1964年生まれ。米カリフォルニア大学バークレー校 物理教室 MacAdams冠教授。専門は素粒子物理学。主な研究テーマは超対称性理論、ニュートリノ、初期宇宙、加速器実験の現象論。西宮湯川記念賞(2002)、米物理学会フェロー(2003)、フンボルト財団研究賞(2017)。2013年よりリニアコライダー・コラボレーションの副ディレクターを務める。

バリー・バリッシュ(Barry Clark Barish)
1936年米ネブラスカ州生まれ。実験物理学者。カリフォルニア工科大学名誉教授「Linde Professor of Physics」。1994年にレーザー干渉計重力波観測所LIGOの主任研究員となり、1997年にディレクターとなった。「LIGO検出器および重力波の観測への決定的な貢献」により、2017年にノーベル物理学賞を受賞。また、2005年から2013年まで、国際リニアコライダー設計のための組織Global Design Effortのディレクターを務めた。

村山先生は多数の著作物を執筆しているほか、コズミックフロント☆ネクストなど、テレビ番組にも出演し物理を広く知ってもらう活動をしています!

バリー・バリッシュ先生は、2017年に重力波観測でノーベル賞を受賞しましたが、ILCのTDR(テクニカルデザインレポート:ILCの設計図)を完成させたディレクターでもあります!バリッシュ先生はイギリスからリモートで講演を行います。同時通訳もあるのでご安心を!

このような著名な、ILCに関係の深いお二人の講演を同時に聞くことができ、かつ対談まであるこの企画!しかも申し込み不要・入場無料です!お近くの方、この機会をお見逃しなく!
詳しい情報はこちらから

■アクセス
福岡国際会議場メインホール
福岡県福岡市博多区石城町2-1

【電 車】
・地下鉄呉服町駅より徒歩約12分
・地下鉄中洲川端駅より徒歩約15分

【 バス 】
・博多駅:シティ銀行前Fのりば
99番博多ふ頭行約12分→国際センターサンパレス前下車
88番中央ふ頭行約12分→国際会議場サンパレス前下車
・天神駅:ソラリアステージ前2Aのりば
80番中央ふ頭行約9分→国際会議場サンパレス前下車

【 車 】
・唐津方面:都市高速
→東浜ランプより約5分
・太宰府・北九州方面:都市高速